2012年4月4日水曜日

予防接種パンフレット(2)/オーストラリア版 医師の一分/ウェブリブログ


オーストラリアの予防接種パンフレット日本語版(2)
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Commonwealth of Australia 2005
ISBN 0 642 82783 4
本書は、著作権で保護されています。1968年著作権法の下に認められる使用を除き、英連邦の書面による事前の許可がない限りは、いかなる手続きによってもいかなる部分の複製は認められません。複製および諸権利に関する申請および問い合わせは、下記までお願いします。
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本書中にある商標名は、あくまでも識別のために使用しており、特定商標の薬物またはワクチンを推奨するものではありません。
1995年4月初版 2005年10月改訂
本パンフレットに記載したすべての情報は、万全を期して印刷を行っております。本書は、オーストラリア全国予防接種プログラム(National ImmunisationProgram)と提携し、オーストラリア保健・高齢省(Australian GovernmentDepartment of Health and Ageing)のイニシアティブの下、全国予防接種委員会(National Immunisation Committee)との協議の結果、発行しました。保健・高齢省発行 承認番号3744

目次
序文
第 1 節 予防接種とは 5
第 2 節 ワクチンおよび予防の対象となる疾患: 13
. B型肝炎 13
. ジフテリア、破傷風、百日咳 16
. 灰白髄炎(ポリオ) 21
. B型インフルエンザ菌(Hib)感染症 24
. 肺炎球菌感染症 26
. 麻疹、おたふく風邪、風疹(三日ばしか) 31
. C群髄膜炎菌感染症 36
. 水痘 41
第 3 節 予防接種特別条件 - アボリジニおよびトレス海峡島しょ民の児童 43
第 4 節 免疫と予防接種に関する一般的な疑問 47
第 5 節 予防接種に関する一般的な疑問 55
第 6 節 誤解されやすい事例 66
第 7 節 予防接種時によくみられる副作用とその対策 68
第 8 節 パラセタモールの投与による副作用の緩和 73
第 9 節 予防接種の際、医師や、看護士に何を伝えるべきか 74
第 10 節 予防接種に関連する公的援助の条件 77
問合わせ先 (裏表紙裏面)

予防接種とは
子どもを特定の疾患から保護するための簡便、安全かつ、有効な方法です。予防接種のリスクは極めて小さく、これに比べて小児疾患のリスクははるかに大きいとされます。
本書には、小児予防接種に対する理解を深めるため、現時点で最も信頼性の高い情報を掲載しております。
本書の内容について疑問がありましたら、かかりつけの医師か診療所にご相談ください。

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3 予防接種特別条件 -アボリジニおよびトレス海峡島しょ民の児童
クイーンズランド州、北部準州、西オーストラリア州、南オーストラリア州に居住するアボリジニおよびトレス海峡島しょ民の児童は、一部の疾患に対して追加の予防接種が必要です。これに当てはまる児童は、他の児童に対して実施される通常のワクチン接種をすべて受ける必要がありますが、次のような相違点・追加点があります。
. Hibワクチン接種
Hib PRP-OMPと呼ばれるタイプのワクチンがよく用いられます。このワクチンは、乳児期のごく初期に高い予防効果を提供するもので、その時期に使用されます。対象地域のアボリジニとトレス海峡島しょ民の児童のうち、この年齢集団ではリスクが高いとされているためです。Hibワクチンは、生後2、4、12ヵ月に他の通常のワクチンと同時に接種しなければなりません。
. 肺炎球菌のワクチン接種
肺炎球菌ワクチン(PneumoVaxR23)の追加接種が、生後18〜24ヵ月に必要です。対象地域のアボリジニとトレス海峡島しょ民の児童は、他の児童よりも、肺炎球菌感染症のリスクに曝される期間が長いためです。この際に使用されるワクチンは、乳児に使用されるものとは異なります。2005年11月1日以降、アボリジニとトレス海峡島しょ民の児童に対して、以下の予防接種が実施されています。
. A型肝炎
アボリジニとトレス海峡島しょ民に属し、クイーンズランド州、北部準州、西オーストラリア州、南オーストラリア州に居住する児童では、他の児童よりも、A型肝炎の発症率が高いことから、同ワクチンの接種が行われています。生後12ヵ月から6ヵ月の間隔で2回、ワクチンを接種します。A型肝炎ワクチンとPneumoVaxR23ワクチンの接種を受ける年齢は州または準州ごとに異なります。いずれのワクチンも、対象地域に居住するアボリジニまたはトレス海峡島しょ民の児童であれば、無料で接種することができます。

4 免疫と予防接種に関する一般的な疑問

今は医療技術が発達し、衛生状態も良く、清潔な水を得られますが、それでも予防接種は必要なのでしょうか?
必要です。予防接種によって予防できる多くの病気は人から人へと直接感染するため、食料、水、衛生の状態が良くても伝染を防ぐことは不可能です。医療技術が発達しているにもかかわらず、予防接種で予防可能な疾患が原因となって起こる深刻な疾病、死亡は未だに存在します。たとえば、Hibワクチンがオーストラリアで最初に利用可能となった1993年以降、生活水準に変化がないにもかかわらず、5歳未満の児童におけるHib感染症の症例数は、劇的に減少しています。Hibの予防接種が実施される前の1992年では、396例のHib感染例が報告されていましたが、2002年の報告数はわずか12例です。

予防接種により、免疫系に過剰な負担がかかる可能性はありますか
いいえ。子どもや大人は日々、多くの抗原(免疫系から反応を誘発する物質)と接触しており、免疫系は様々な経路で各抗原に反応し、体を保護しています。ワクチン接種を受けていない子どもが、特定の感染症に対して免疫を得るには、その感染症に曝露されるしかありません。そうした場合、深刻な疾患を発症するリスクがあります。逆にワクチン接種を受けた児童では、感染症が生じても、通常は問題にはなりません。予防接種によって得られる感染症予防効果(免疫)は、人が感染を受けた場合に生じる自然免疫と同じ様に獲得されます。ただし、疾患に伴うリスクが高いのに対して、ワクチン接種に伴うリスクは低くなります。

自然免疫は、ワクチンによって得られる免疫よりも優れてはいないのでしょうか?
自然免疫およびワクチン接種による免疫は、いずれも体の持つ免疫系による自然な反応です。両者の体内の免疫反応に差はありません。ワクチンによって得られる免疫は、時間と共に弱まる場合がありますが、感染によって獲得される自然免疫は、一生を通じて保持されるのが一般的です。問題は、野生のものからの感染あるいは自然に感染した病気の場合、深刻な疾患および時には死亡のリスクが高まるということです。免疫力が低下した児童、成人は、再接種を受けることもできます(一部のワクチンでは必須となっています)。ワクチンは、予防の対象となる疾患自体よりも何倍も安全であるという点に留意することが重要です。


産後うつ病のチェックリストは、iは、PPDを持っていますか?

ホメオパシー療法による「予防接種(免疫獲得)」は可能なのでしょうか?
いいえ。ホメオパシー療法による「予防接種」から、感染症に対する予防効果が得られるかについては実証されていません。従来の予防接種だけでも、感染症に対してかなりの免疫反応と予防効果を得ることが可能です。ファカルティ・オブ・ホメオパシー(Facultyof Homeopathy、ロンドン)は1993年の会議で次のように述べています。「我々は、従来のワクチン接種プログラムを強く支持するとともに、ワクチン接種は、医療上の禁忌がない限り、従来の検査により効果が実証されたワクチンを用いて、従来通りに実施することが必要であると考える。」

予防接種を受けた子どもでも感染症にかかる可能性はあるのでしょうか?
はい。ワクチンは100%有効ではないからです。割合は小さいのですが、予防接種を受けていても感染症に対する免疫力が低い場合もあります。予防接種を受けた児童が感染症を発症する場合がありますが、通常は予防接種を受けなかった場合よりも軽症ですみます。得られる予防効果のレベルは、ワクチンによって異なります。たとえば、100人の児童にMMRワクチンを接種した場合、予防接種を完了した児童のうち、5〜10人は麻疹、おたふく風邪、風疹にかかる可能性があります(しかし、予防接種を受けた児童では、通常軽症ですみます)。逆に、100人の児童でMMRワクチンを接種しなかった場合では、児童が麻疹にさらされた場合、そのほとんどが、肺感染(肺炎)や、脳の炎症(脳炎)といった合併症のリスクが高まります。

母乳育ちの 子どもでも従来の予防接種を受ける必要があるのでしょうか?
母乳で育った場合でも、全国予防接種プログラムにより現在無料で提供されているワクチンの接種を受けるべきです。母乳には少量の抗体が含まれますが、免疫化のプロセスを妨げることはありません。母乳には、永続的な予防効果や、百日咳、麻疹、Hib感染症などの特定の感染症に対する予防効果はないため、母乳育ちであってもワクチン接種が必要です。

予防接種が揺りかご死(乳幼児突然死症候群[SIDS])をもたらすことはあるのでしょうか?
多数の試験が実施されていますが、予防接種が突然死(SIDS)を引き起こすという証拠は得られていません。予防接種の直後に死亡が認められることも確かにありますが、予防接種を受けたか否かにかかわらず、突然死は生後2〜6ヵ月の乳児に起こる傾向があることから、単なる偶然の一致と考えられます。米国の試験では、突然死した400人の乳児を、同年齢の健康な乳児400人と比較した結果、突然死した乳児は、突然死しなかった乳児よりも、過去24時間に予防接種を受けていた可能性が低かったことがわかっています。つまり、予防接種によって突然死が予防されたと考えられます。南オーストラリア州のデータからは、突然死と予防接種との関連性がないことがわかっています。

予防接種が喘息を引き起こすことはあるのでしょ うか?
ありません。予防接種が喘息を引き起こす、あるいは、悪化させる可能性があるという証拠は得られていません。喘息を有する児童は、百日咳などを発症することで喘息発作が悪化する可能性があることから、他の児童と同様に予防接種を受けることが特に重要となってきます。

ワクチンが、癌、慢性疲労症候群、多発性硬化症、アレルギー、自己免疫疾患を引き起こすことはあるのでしょうか?
いいえ。何百万件にものぼるワクチン接種が、何十年にもわたって実施されてきましたが、このような疾患を予防接種が引き起こすことを示唆する証拠は得られていません。逆に、B型肝炎の予防接種を受けることで、肝臓癌のリスクが著しく低下すると言われています。ほとんどの国では、過去20年にわたって予防接種率が上昇していますが、この間に上記の疾患が増加したという証拠は得られていません。

MMRワクチンが、炎症性腸疾患や、自閉症を引き起こすことはあるのでしょうか?
MMRワクチンが炎症性腸疾患あるいは、自閉症を引き起こすという考えを支持するような確実な科学的根拠は得られていません。自閉症の発症とMMRワクチンの接種とに関連があるとみられているのは、自閉症の子どもを持つ親が初めて子の成長に懸念を抱く時の子どもの平均年齢が、生後18ヵ月頃、つまり、MMRワクチンが接種された6ヵ月後であるためです。

ワクチンが、上記のような疾患の病態を変化させ、他の疾患を引き起こすことはあるのでしょうか?
いいえ。ワクチンによって病態が変化し、他の疾患が引き起こされることは決してありません。オーストラリアで認可されているワクチンは、安全性と有効性が実証されたものだけです。

予防接種に関する一般的な疑問

予防接種はどこで受けられますか?
予防接種は、予防接種センター、一般診療所、一部の病院、地方自治施設、アボリジニコミュニティ医療サービス施設(Aboriginal Community ControlledHealth Services)で受けることができます。

予防接種は強制ですか?
強制ではありませんが、全児童が予防接種を受けることが強く推奨されています。一部の州と準州では、お子さんを託児所に預ける場合や、学校に入学させる場合に、予防接種の記録を提示することが必要となります。そうすることで、託児所、学校は、どの児童が予防接種を受けていないかを把握できます。託児所や、学校で感染が発生した場合は、予防接種を受けていない児童を自宅に待機させ、感染の発症と伝染を予防するという対策がとられる場合があります。

ワクチン接種を受けられなかった場合は、初めから予防接種を受け直さなければならないのでしょうか?
適切な時期にすべての予防接種を受けることが理想ですが、受けていないものがあっても、後になっても簡単に受け直すことができます。すでに受けたワクチンを再度接種する必要はありませんし、追加接種を受ける必要もありません。接種時期が遅れても気にせずにワクチンをスケジュール通りに継続することで、安全かつ有効な予防接種が可能です。この場合は、通常のワクチン接種間隔にならうか、必要に応じて接種回数を減らします。免疫系は一度侵入した病原体を記憶します。完全な予防効果を得るためには、推奨されている回数のワクチン接種を、望ましくは適切な時期に受けることが必要です。しかし、一般に、無料のワクチンは、特定の年齢集団を対象としています。接種時期が大幅に遅れると、ワクチンを無料で受けら� ��なくなる可能性がでてきます。お子さんを感染から守り、不必要な出費を避けるためには、適切な時期に予防接種を受けることが一番です。


ここで、iは、テルミンを購入することができます

複数の予防接種を同時に受けることはできますか?
はい。乳児および児童に定期的な接種が推奨されているワクチンは、1回の来院で複数接種を安全に受けることが可能です。混合ワクチンの導入により、少ない接種回数で、多くの感染症に対する予防接種が可能となりました。たとえば、DTPa-IPVワクチンは、1回の接種で、4種類もの感染症に対する予防効果を得ることができます。しかし最近、C群髄膜炎菌ワクチンと肺炎球菌ワクチンが追加されたため、1回の来院時に多くの注射を受ける必要が生じましたが、結果として、1回の来院で最高7種類の感染症に対する予防効果を得ることができるようになりました。この場合の安全は保証されており、免疫系に過剰な負担がかかることはありません(第4節、48ページ「予防接種により、免疫系に過剰な負担がかかる可能性はありますか?」参照)� �複数の予防接種について心配な点がある場合は、かかりつけの医師または予防接種センターにご相談ください。

難産や、早産であった場合はどうすればいいでしょうか?
早産児の場合は、特定の感染症に感染しやすいため、特に予防接種による保護が必要となります。通常は、他の乳児と同じ予防接種を受けますが、極低出生体重児ではB型肝炎ワクチンとHibワクチンに対する反応が弱い場合があります。極低出生体重児の予防接種条件についてはかかりつけの小児科医にご相談ください。その際に、予防接種後に抗体反応のチェック、B型肝炎ワクチンとHibワクチンの予防接種の先送り、追加接種が行われることもあります。28週間未満の妊娠期間で生まれた早産児は、Hibワクチンと肺炎球菌ワクチンを追加接種する必要があります。

咳をしている場合や、風邪にかかった場合は、予防接種を先送りすべきでしょうか?(高熱を伴う)重い病気の場合は、どのくらい予防接種を延期すべきですか?
咳が軽度な場合、発熱のない風邪の場合、急性疾患の回復期にあり抗生物質を使用している場合は、安全かつ有効な予防接種が可能です。(38.5度を超える)高熱で体調が極めて優れない場合に限っては、予防接種を先送りにする必要があります。予防接種のスケジュールは、回復後(1〜2週間後)に調整します。疑問等ございましたら、予防接種延期実施前にかかりつけの医師または診療所のスタッフにお問合わせください。

水痘、麻疹、風疹、百日咳などに感染したことがある場合でも、これらのワクチンを受ける必要はあるのでしょうか?
感染歴のある場合でも、これらの感染症の予防接種は安全に受けることができます。麻疹に対する免疫をすでに獲得している場合に予防接種を受けても、追加免疫となるだけで、何らリスクはありません。大切なのは、ワクチンが対象とするすべての疾患の予防接種を受けることです。対象感染症の1つに感染したことがある場合でも同じと言えます。特に留意いただきたいこととして、2歳未満の児童では、Hib感染症を発症した後でも、十分な自然免疫が獲得されないという事実があります。このような子どもにはやはり予防接種が必要です。

母親が妊娠している場合、その子どもは予防接種を受けるべきでしょうか?
母親が妊娠している子どもに対して通常の予防接種を実施することには何ら問題はありません。逆に、予防接種を子どもに受けさせることで、風疹などの感染症に母親がさらされる危険を回避できます。

アレルギーや、喘息がある場合はどうすればいいでしょうか?アトピーや、卵アレルギーの場合、何らかの予防策は必要ですか?
喘息、湿疹、花粉症、アレルギーがみられる場合でも、卵に対する真性の深刻なアレルギー反応(全身性の蕁麻疹、口腔または咽頭の膨張、呼吸困難、喘鳴、低血圧、ショックなど)がみられない限りは、予防接種を受けなければなりません。現在のところ、全国予防接種プログラムのワクチンには、卵蛋白質は含まれていません。しかし、インフルエンザ、黄熱、キュー熱などの特殊な状況下で使用される一部のワクチンには、卵が含まれます。これらのワクチンは通常、卵アレルギーを持つ児童には使用されません。疑問等ございましたら、かかりつけの医師にお問合わせください。

ひきつけや、てんかんがある場合はどうすればいいでしょうか?
お子さんの状態が安定しているのであれば、予防接種を受けるべきです。高熱時に、痙攣(ひきつけ)を起こすようなら、予防接種の前と48時間後にパラセタモールを投与し、発熱のリスクを下げます。パラセタモールの使用法を守って、正しく使用することが重要です(詳細については、第8節の73ページを参照ください)。MMRのワクチン接種に伴う発熱は、予防接種の7〜10日後に認められることにご注意ください。家族に、ひきつけや、てんかんの方がいる場合でも、予防接種を差し控える必要はありません。

慢性疾患がある場合はどうすればいいでしょうか?
慢性疾患がある児童は、感染による合併症のリスクが高い場合が多いため、通常は、予防接種を優先的に受けなければなりません。ただし、かかっている疾患やその治療によって免疫力が低下している可能性がある場合は、注意が必要です。

家族に、予防接種に対する何らかの反応を示した者がいる場合はどうすればいいでしょうか?
家族がワクチンに対して反応を示した場合でも、その反応が遺伝性のものでない限り、予防接種を受けなければなりません。

手術を予定している場合はどうすればいいでしょうか?
手術を予定している場合でも、予防接種を延期すべきではありません。

予防接種を延期する必要があるのはどのような場合ですか?
ごくわずかですが、予防接種を延期すべき健康状態は次の通りです。(38.5度を超える)高熱で体調が優れない場合は、回復するまで予防接種を延期しなければなりません。鼻水が出ていても特に体調が不良でない場合は、予防接種を受けることが可能です。また、抗生物質使用中で病気の回復がはっきりと見てとれる場合も可能です。過去に特定のワクチンを接種した時に、呼吸困難を伴う深刻なアレルギー反応を示した場合は、同じワクチンを再び接種すべきではありません。ただし、この場合は、かかりつけの医師に必ずご相談ください。状況にもよりますが、癌や、免疫不全症を患っている場合、あるいは、感染症と戦う能力を妨げる可能性のある薬物を使用している場合は、MMRワクチンや、水痘ワクチンなどの生きたウイルスを含む� ��クチンの予防接種を受けるべきではありません。このような場合に予防接種を検討する場合は、かかりつけの医師に必ずご相談ください。輸血または免疫グロブリン製剤の投与を受けた場合は、輸血の3ヵ月後まで、MMRワクチンや水痘ワクチンを接種すべきではありません。
お子さんが予防接種を受けても大丈夫か確信が持てない場合は、予防接種を延期する前に、かかりつけの医師、または、看護士にお問合わせください。


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予防接種は何に記録すべきでしょうか?
お子さんが予防接種を受けた場合は、その都度、個人健康記録帳(Personal Health Record;PHR)にその情報を記録しなければなりません。PHRは、病院か、出産センターで出産後、保護者の方にお渡ししているものです。次回予防接種の予定を把握でき、感染が発生した場合に、家族でどの子どもが予防接種を受けているかを確認できるため、記録を続けていくことが大切です。お子さんが学校に入学する際に、この記録の提出が求められる場合があります。PHRと診療記録は、予防接種を行う医師や、看護士、医療従事者が記入します。

子どもの予防接種に関する情報を得る方法は他にあるのでしょうか?
オーストラリア小児予防接種記録(略してACIRまたは予防接種記録)は、オーストラリアに居住する7歳未満の児童に実施した予防接種に関する情報を記録しています。
メディケア(Medicare)という公的国民健康保険に登録されている7歳未満の児童は、予防接種記録に自動的に情報が記録されます。お子さんがメディケアに登録されていない場合は、かかりつけの医師、または、予防接種センターが、予防接種記録に予防接種の詳細を届ける際に、情報を記録できます。
お子さんの予防接種歴については、お子さんが1歳、2歳、5歳になった時点で、保護者の方に通知書が送られます。そのため、お子さんの予防接種に関する情報を容易に得ることが可能となっています。また、特定の家族支援補助金を請求する際に、お子さんの予防接種の状態を証明するものとして、この通知書を使用することができます。
通知書は予防接種記録に記録されている直近の住所に送られますので、住所に変更のある場合は、メディケア、ならびに、ご利用の予防接種センターまで、必ずご連絡ください。

通知書は、予防接種記録簿のウェブサイト(www.medicareaustralia.gov.au)またはACIRのフリーダイヤル/(1800 653 809)から、いつでも請求可能です。
ワクチン接種に関する情報は、かかりつけの医師、予防接種センターにも通知されます。お子さんのワクチン接種が予定されているとの情報が、かかりつけの医師または予防接種センターに事前に通知されますので、予防接種を忘れることがなく、安心です。

6 誤解されやすい事例

お子さんが次のような状態にある場合でも、予防接種は受けなければなりません。
. 予防接種後に何らかの反応を示した家族がいる
. 痙攣の家族歴がある
. 百日咳、麻疹、風疹、またはおたふく風邪にかかったことがある
. 早産児である(予防接種を延期すべきではありません)
. 脳性麻痺や、ダウン症候群などの神経学的疾患があり、状態が安定している
. 感染症に接触したことがある
. 喘息、湿疹、花粉症、または「鼻風邪」がみられる
. 抗生物質を使用中である
. 局所に作用する(吸入または低用量局所)ステロイドを使用中である
. 母親が妊娠している
. 母乳育ちである
. 出生後、黄疸にかかった
. 通常のワクチン接種スケジュールでの推奨年齢を上回っている
. 手術を最近受けたか、直近に手術を予定している
. 低体重であるが、その他には異常がない
. コルチコステロイドの補充療法を受けている
詳細につきましては、お住まいの地域の医師または診療スタッフにお問合わせください。

7 予防接種時によくみられる副作用とその対処

予防接種後は、多くの場合、軽度の副作用が認められます。ほとんどの副作用は短期間しか持続せず、何ら問題なく回復します。しかし、副作用が生じた場合は、子どもの不快感を和らげることが必要です。次に挙げる簡単なガイドラインに従うことで、副作用を緩和できます。下記に、各予防接種の一般的な副作用とその対処を示します。

DTPa(ジフテリア-破傷風-百日咳ワクチン)
一般的な副作用
以下の副作用が予防接種の直後に生じ、最長2日間持続する場合があります。
. 軽度の発熱
. むずかる、落ち着きがない、常に不機嫌
. 注射部位の痛み、腫脹、発赤
. 眠気または疲労
対処
. 水分の補給
. 暑い場合は厚着をさせない
. 必要に応じて、パラセタモールを与え、熱を下げる(73ページ参照)

IPV(不活化ポリオワクチン)
起こりうる副作用
以下の副作用が予防接種後に生じる場合があります。
. 筋肉の痛み
. 注射部位の痛み、腫脹、発赤
. 軽度の発熱
対処
. 水分の補給
. 暑い場合は厚着をさせない
. 必要に応じて、パラセタモールを与え、熱を下げる(73ページ参照)

Hib(B型インフルエンザ菌)ワクチン
起こりうる副作用
以下の副作用はまれですが、予防接種の直後に生じる場合があります。
. 軽度の発熱
. 注射部位の痛み、腫脹、発赤
対処
. 水分の補給
. 暑い場合は厚着をさせない
. 必要に応じて、パラセタモールを与え、熱を下げる(73ページ参照)

B型肝炎ワクチン
起こりうる副作用
以下の副作用はまれですが、予防接種の直後に生じる場合があります。
. 軽度の発熱
. 注射部位の痛み、腫脹、発赤
対処
. 水分の補給
. 暑い場合は厚着をさせない
. 必要に応じて、パラセタモールを与え、熱を下げる(73ページ参照)

肺炎球菌ワクチン
一般的な副作用
以下の副作用が予防接種後に生じる場合があります。
. 注射部位の痛み、腫脹、発赤
. 軽度の発熱
対処
. 水分の補給
. 暑い場合は厚着をさせない
. 必要に応じて、パラセタモールを与え、熱を下げる(73ページ参照)

MMR(麻疹-おたふく風邪-風疹ワクチン)
一般的な副作用
注射部位に不快感が認められる場合があります。以下の副作用が予防接種の7〜10日後に生じ、最長で2〜3日間持続する場合があります。
. 軽度の発熱
. かすかな発疹(感染性でない)
. 咳または眼の腫れ、あるいはその両方
. 眠気および疲労顔面腺の膨張が、予防接種の約3週間後に生じる場合があります。
対処
. 水分の補給
. 暑い場合は厚着をさせない
. 必要に応じて、パラセタモールを与え、熱を下げる(73ページ参照)

C群髄膜炎菌結合型ワクチン
一般的な副作用
以下の副作用が予防接種後に生じる場合があります。
. 注射部位の痛み、腫脹、発赤
以下の副作用はまれですが、予防接種の直後に生じ、最長で48時間持続する場合があります。
. 食欲不振
. 頭痛または筋肉痛あるいはその両方
. 軽度の発熱
. むずかる、落ち着きがない、常に不機嫌
対処
. 水分の補給
. 暑い場合は厚着をさせない
. 必要に応じて、パラセタモールを与え、熱を下げる(73ページ参照)


みずぼうそう(水痘ワクチン)
一般的な副作用
以下の副作用が予防接種後に生じる場合があります。
. 注射部位の痛み、腫脹、発赤
. 軽度の発熱
以下の副作用が予防接種の5〜26日後に生じる場合があります。
. 発疹(通常は注射部位、他の部位に認められる場合もある)
対処
. 水分の補給
. 暑い場合は厚着をさせない
. 必要に応じて、パラセタモールを与え、熱を下げる(73ページ参照)

副作用について心配があれば、かかりつけの医師か、診療所のスタッフにご相談ください。

8 パラセタモールの投与による副作用の緩和

予防接種時のパラセタモールの常用は推奨されていません。現在使用されているワクチンは、副作用が少なく優れたワクチンだからです。しかし、発熱や落ち着きがなくなるなどの副作用が心配で、パラセタモールの使用を希望される場合は、かかりつけの医師、薬剤師、または、看護士にご相談ください。状況によっては、パラセタモールの使用が望ましい場合があります。MMRワクチンを接種して約7〜10日後に発熱が生じた場合は、解熱のためにパラセタモールを使用します。ひきつけや、てんかんが あるお子さんの場合は、予防接種の前と48時間後にパラセタモールを投与し、発熱のリスクを下げます。パラセタモールの使用法を守って、正しく使用してください。パラセタモールは4時間以上の間隔をあけて使用し、1日の使用回数は6回までとしてください。病状により使用方法が異なりますので、決められた用法・用量に従ってください。
医師との相談なく、パラセタモールを長期間使用すると、健康を害する恐れがありますので注意してください。

9 予防接種の際、医師や、看護士に何を伝えるべきか

予防接種を受ける前に、お子さんが次の条件に当てはまる場合は、医師や、看護士にそのことをお伝えください。
. 体調が優れない
. ワクチン接種後に重度の反応を示したことがある
. 何らかの深刻なアレルギーがある
. 過去1ヵ月以内に生ワクチン(MMR、水痘、結核*、経口ポリオ*、黄熱*など)を接種した
. 過去3ヵ月に免疫グロブリンの注射か、全血輸血を受けた
. 免疫力を低下させる疾患(白血病、癌、HIV/AIDSなど)を有しているか、免疫力を低下させる治療(コルチゾンや、プレドニゾンなどのステロイド療法、放射線療法、化学療法など)を受けている

お 子さんがこれらの条件に当てはまる場合は、通常とは異なる予防接種を実施する必要がありますので、かかりつけの医師か、診療所のスタッフに必ずその旨をお伝えください。予防接種の当日には、個人健康記録帳をご持参ください。
. 免疫力を低下させる疾患を有している人物と同居しているか、免疫力を低下させる治療を受けている人物と同居している
. 予防接種を受けていない人物と同居している
. アボリジニまたはトレス海峡島しょ民である
*注:この場合のワクチン接種は全国予防接種プログラムに含まれないもので、通常は、海外旅行の際や、特定の職業に従事されている場合など、特殊な状況下で使用されます。

10 予防接種に関連する公的援助の条件

オーストラリアの予防接種率を上昇させる目的から、多くの家族支援補助金が政府により提供されていますが、これは、一定の予防接種条件を満たす児童、つまり、予防接種をもれなく受けているか、免除条件に当てはまる児童に対してのみ交付されます。

児童保育給付金(Child Care Benefit)
児童保育給付金は、認可サービスと登録介護者によって提供される児童保育費を援助するものです。交付を受けるには、ご家族が所得と居住の審査条件を満たしている必要があります。お子さんは、1996年1月1日以降に生まれ、7歳未満であり、予防接種をもれなく受けている(予防接種記録に記録されている)か、免除条件を満たしている必要があります。

出産予防接種手当(Maternity ImmunisationAllowance)
出産予防接種手当(MIA)は、1998年1月1日以降に生まれ、予防接種をもれなく受けている(予防接種記録に記録されている)か、予防接種から免除されているお子さんに対して、生後18ヵ月以降に交付されます。MIAは、出産後の出産手当と共に受
給できます。
家族支援補助金の諸条件に当てはまる場合は、いずれのワクチンの費用も支払う必要はありません。ただし、全国予防接種プログラムにより現在無料で提供されているワクチン予防接種をお子さんがもれなく受けていることを証明いただくことが必要です。
児童保育給付金、出産予防接種手当に関する情報を希望される場合は、メディケアオフィス内の家族支援事務所(Family Assistance Office)、センターリンク・カスタマー・サービス・センター、税務局の所轄事務所までいらしていただくか、13 6150 までお電話ください。家族支援事務所のウェブサイト(www.familyassist.gov.au)でも情報を提供しております。

免除条件
すべての予防接種を受けていない状態で上記の交付を受ける場合は、予防接種の提供者により、以下の事項が証明されている必要があります。
. 医学的な理由から、特定のワクチン接種を受けていない
. 特定の感染症にかかり、その自然免疫を獲得している
. 特定のワクチンを接種できない
もしくは、お子さんに予防接種を受けさせるべきではないという個人的、哲学上、宗教上、医学上の信条がある場合は、正式に異議を申し立てることができます。その場合は、予防接種の提供者に、異議申し立て書への署名を求める必要があります。この書面はメディケアオフィスか、オンライン(www.medicareaustralia.gov.au)から入手できます。

ワクチンと疾患の影響の比較


病名
水痘 - 非常に伝染力の強いウイルスによって引き起こされ、軽度の発熱と小水疱性の発疹をきたします。
後にウイルスが再活性化した場合は、帯状ヘルペス(帯状疱疹)を引き起こします。
疾患の影響
5,000人に1人の患者が、脳炎(脳の炎症)を発症します。10万人に約3人の患者が死亡します。
妊娠中に感染すると、乳児に先天性奇形が起こる可能性があります。出産の5日前から2日後までに母親が水痘感染症を発症した場合では、3分の1以下の症例で新生児に深刻な感染症が生じます。
ワクチン接種の副作用
5人に約1人が局所反応または発熱をきたします。軽度の水痘様発疹は、100人に3〜5人の確率で発症します。

病名
ジフテリア - 伝染力の高い菌が飛沫によって伝播し、深刻な咽頭障害と呼吸困難を引き起こします。
疾患の影響
15人に約1人の患者が死亡します。
菌により放出される毒素によって、神経麻痺や、心不全が引き起こされる場合があります。
ワクチン接種の副作用
10人に約1人が局所炎症または発熱をきたします。
重い有害事象(ワクチンとの因果関係のあるなしに関わらず発生する好ましくない症状)は、極めてまれです。



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