2012年5月16日水曜日

びわ(枇杷/ビワ)のページ


基礎データ
  • 分類:バラ科ビワ属
  • 原産地:中国(China)南部地方
  • シーズン:5月~6月頃
  • 主な産地:長崎、千葉、香川

初夏になると青果コーナーに並びはじめるビワは季節感を感じさせてくれる果物のひとつです。あのふっくらとしたオレンジ色の果実を見るとついつい買ってしまう人も多いのではないでしょうか。

ビワの主な産地は亜熱帯や温帯地域です。年平均気温15度以上、最低気温は-5度以下にならない場所が栽培に適しているといわれています。このため日本では千葉県より北では本格的な栽培は行われていません。ただし近年の温暖化による影響により、栽培可能地域が北に広がる可能性があります。

目次 Index

▼ビワについて調べる

▼ビワの種類を知る

▼ビワの統計データを見る

▼ビワの写真を見る

ビワの歴史

ビワの原産は中国(China)地方で、6世紀にはすでに栽培が行われていました。日本にも野生種があったという説がありますが、現在栽培されているのは中国からもたらされた品種です。

ビワに関する文献は奈良時代に記述された書物が最も古いものです。日本で栽培が始まったのは江戸時代の中期頃で、千葉の富浦には宝暦初年(1751年頃)の栽培記録が残っています。そのころの果実は小ぶりだったそうですが、そこで栽培されたビワは江戸に出荷されていたようです。

その後、江戸時代の末期(天保から弘化の頃)に中国の品種が日本に入ってきて、現在のような大玉のビワが本格的に栽培されるようになりました。

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胆嚢の手術から1 、痛み、1

ビワの見分け方

ヘタがしっかりしていていて、果皮にハリがあり、ビワ独特の鮮やかさがあるもの。また、うぶ毛と白い粉(ブルーム)が残っているものが新鮮なビワです(ただし、ブルームは袋がけの段階で紙とこすれて落ちていることもあります)。果皮に傷が付いていたり、うぶ毛がとれてテカテカと光っているものは収穫してから日が経っているので避けましょう。

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ビワの保存方法

ビワは常温保存でも大丈夫です。直射日光を避け、風通しが良く涼しい場所で保存してください。ビワは追熟せず長期間の保存もできないので、購入後はできるだけ早め(2~3日以内)に食べるようにしましょう。

日持ちさせたいなら野菜室に入れてもOKですが、冷やしすぎると風味が落ちてしまいます。冷たいほうが好きな人は、食べる2~3時間前に冷やすとよいでしょう。また、傷みやすいので強く押したりしないよう、取り扱いにも注意してください。

食べるときは、ヘタ(軸)を持ってヘソ(下)のほうから手で皮をむいて食べるのがおすすめです。

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ビワの栄養と効能

主な栄養成分(可食部100g中)

βカロテン当量(810mcg)、カリウム(160mg)

注目成分

クロロゲン酸、アミグダリン

主な効能

高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防、がん予防、アンチエイジング(老化防止)、風邪予防

ビワにはカロテンのひとつ「βクリプトキサンチン」が多く含まれているのが特徴です。βクリプトキサンチンは体内でビタミンAとして働き、皮膚や粘膜、消化器官などを正常に保ちます。βクリプトキサンチンは高血圧の予防をはじめ、がん予防やアンチエイジングにも効くとされています。

また、ビワにはポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」も含まれています。クロロゲン酸は、がん予防やウイルス疾病予防(インフルエンザ予防)に効果があると期待されている成分です。


不安の治療法

ビワは古くから果実だけでなく葉(枇杷葉)も薬として利用されていました。ビワの葉には、「タンニン」、「ビタミンB17(アミグダリン/レートリル)」が含まれ、咳止めやがん予防に効果があるといわれています。また、タンニンは細菌の繁殖を抑制するので皮膚疾患やかぶれなどにも有効です。

より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。

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ビワの種類

茂木(もぎ)

西日本におけるビワの代表はこの「茂木」です。江戸時代に長崎の代官屋敷で奉公していた女性(三浦シオさん)が、中国商船から持ち込まれた「唐枇杷(中国原産の枇杷)」の種子を茂木町の自宅の庭にまき、そこから広まったといわれています。果重は40〜50g程度と小ぶりですが、甘みはやや強めで酸味は控えめ。主な産地は長崎や鹿児島、香川などで5月〜6月頃がシーズンです。

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長崎早生(ながさきわせ)

早いものは1月頃に出荷されるという「長崎早生」。寒さに弱いためハウス栽培されることが多く、露地ものに比べると2ヶ月ほど早く店頭に並びます。果重は 40〜60g程度で糖度は比較的高く、みずみずしく上品な味わいです。この品種は「茂木」と「本田早生」の交配で、1976年(昭和51年)に登録されています。なおハウス栽培のものは、箱に「茂木ビワ」と書かれていることがあります。

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田中

1879年(明治12年)頃に植物学者である田中氏が、長崎で食べたビワの種を東京に持ち帰り、自宅にまいて育成したのが始まりとされています。果実は釣り鐘形で、果重は60〜80g程度と茂木に比べるとやや大きめ。甘味は強く、酸味も適度にありバランスのとれた品種といえるでしょう。シーズンは6月頃です。主に愛媛県や千葉県、香川県や兵庫県などで栽培されています。

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小児胃腸障害

大房(おおぶさ/たいぶさ)

ビワ栽培が盛んな千葉の富浦町で多く生産されている品種で、大きいものは100g前後もあります。「田中」×「楠」として誕生し1967年(昭和42年)に命名されました。寒さにも強く、「ビワ栽培の北限」といわれている千葉でもよく育ちます。酸味が少なくほどよい甘みで果汁も豊富です。旬は6月で、「房総びわ」としても流通します。

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瑞穂(みずほ)

1936年(昭和11年)に「田中」×「楠」として誕生した品種。ほどよい甘みと適度な酸味があり、食味の良いびわです。サイズは100g前後と大きく、果皮は淡いオレンジ色で、薄い緑色の小さな斑点が出ることもあります。主産地は千葉県です。

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白茂木(しろもぎ)

果皮と果肉がやや白っぽい黄白色をした品種です。長崎県果樹試験場で「茂木」の種子に放射線を照射し、突然変異を誘発して作らたもので、1982年(昭和 57年)に品種登録されました。果形は卵形で果重は40〜60g。肉質はやわらかく多汁で、糖度と酸味のバランスもよく調和されています。6月中旬頃から出回ります。

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土肥(とい)

静岡県土肥地域の特産の白いビワ。1877年(明治10年)に中国から持ち帰ったビワの種から誕生しました。果重は30〜40gと小粒で食べられる部分は少なめですが、白く繊細な果実は香りがよく美味といわれています。収穫時期は5月下旬頃から。ただし風雨に弱く傷つきやすいため、市場にはあまり出回らず、お酒やゼリー、ジャムなどに加工されることが多いようです。

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涼風(すずかぜ)

「楠」と「茂木」を交配して誕生し、1999年(平成11年)に登録された新しい品種です。糖度が高く酸味が少ないのが特徴。果重は50〜60g前後で6 上旬頃に出荷されます。また、同時に品種登録された「陽玉(ようぎょく)」は「涼風」よりも一回りほど大きく、甘さと酸味がほどよく調和した品種で、こちらも6月上旬頃に出荷されます。このほか、やや大きめで早熟な新品種「涼峰(りょうほう)」や、やわらかくて甘酸適和の「麗月(れいげつ)」なども登場しています。

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希房(きぼう)

2004年(平成16年)に千葉県農業総合研究センターで誕生した新品種の「種なしビワ」です。ビワといえば大きな種がゴロリと入っているのが当たり前ですが、この「希房」は邪魔な種がなく、実の多くを食べることができます。ただし生産数が少ないので、あまり見かけることはありません(※2009年現在)。親は「田中」と「長崎早生」です。

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品種ごとの作付面積

品種は茂木がトップで56%を占めます。茂木の主産地は長崎県で、長崎早生は鹿児島県です。また田中は愛媛県、千葉県、兵庫県、香川県などで栽培されており、大房は千葉県が主産地となっています。

6位のなつたより以下の順位は、瑞穂、富房、涼風、湯川、山川、陽玉、福原、土肥びわの順です。

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主な産地と出荷量

ビワの出荷量は年間約5,410トン(2009年)とほかの果物に比べてあまり多くありません。主産地は長崎県、千葉県、香川県といった比較的暖かい地域です。

「栽培面積の推移」ボタンをクリックすると、柿の栽培面積の推移を見ることができます。また「果物統計(栽培面積比較用グラフ)」では栽培面積の推移をほかの果物と比較できます。

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ビワの写真

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